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近年メディアで良くも悪くも取り上げられているインプラント治療。
歯科医がインプラント治療を勧めるには確かな理由があります。
それは、歯を失った部分(欠損部分)に関して治療する際、入れ歯やブリッジでは快適な日常生活を送れない、また、何の問題もない他の歯や健康にも悪影響を及ぼす可能性があるのです。
例えば、ブリッジの場合、欠損部位を支えるための両隣の健康な歯を削らなければなりません。
そのため、その両隣の歯が弱っていきます。
入れ歯だと、咀嚼力(噛む力)が低下したり、合わない、痛い、煩わしいといった不快感が出る問題もあります。
人間にとって噛むことというのは非常に重要なことであり、しっかりと噛めている人は噛めていない人に比べて病気をしにくく長生きできることもわかっています。
つまり咀嚼力というのは生きるにあたって非常に重要なことなのです。
その点インプラント治療は、失った部分を自分の歯(天然歯)と同じように機能させることができるため、日常生活において快適で病気を予防するという観点からも、
健康を手にすることができる素晴らしい治療法なのです。
そもそもインプラント治療とはどういうものなのか?
インプラント治療は、歯根の代わりにネジ(フィクスチャー)を埋め込み、骨と結合させます。
土台が安定すると、その上に人口の歯をつけ、まるで自分の歯のように噛むことができるようになります。
治療の流れとしては、まずインフォームドコンセントに基づき、しっかりとカウンセリングします。
患者様はお悩みやご不安をご遠慮されずにお話ください。
この段階で治療をするか決める必要はありません。場合によっては、レントゲンを撮影します。
患者様の全身疾患や持病、お口の中をくまなく検査します。
場合によっては、治療がすぐに開始できない、または治療自体ができない場合もあります。また、CT撮影による解析データも含め、治療計画をたてていきます。事前処置として虫歯・歯周病治療の他、治療に必要な骨量が足りない場合には、骨の量を増やします。(GBR)
麻酔をしてから歯茎を切ってネジ(フィクスチャー)を埋め込んでいきます。
この後、ネジと骨が結合するために約3~6ヶ月の期間をおきます。
ネジと骨が結合したら、再び歯茎を切開し、上部構造(人工歯)を支えるための支台を装着します。この状態で歯茎が元通りになるまで1~6週間おきますが、二次手術当日に仮歯を入れられる場合もあります。
口の中の型を取り、上部構造(人工歯)をつくります。
人口の歯が完成したら、装着し、治療が完了です。
おおよその治療期間は?
患者様の体調や口腔内の状態、治療部位、本数、治療方法など、個人差はありますが、
初診から人工歯が装着完了するまでに大体6ヶ月~1年ほどみておいてください。
人工歯が入ったからといって、治療が終わるわけではありません。
インプラントは人工歯根・人工歯のため歯周病にかかることはありませんが、しっかりと定期的にメンテナンスで来院しておかないと、インプラント周囲炎というプラーク(細菌)がたまることによっておこる、歯周病に似た症状がおこり、場合によってはインプラントが脱落してしまうこともあります。
インプラント治療だけではなく、歯科治療全般にいえることですが
必ず定期的に通うようにしてください。